ハーレムとは
thumb|250px|現在のトプカプ宮殿のハレム(同じ部屋ではない) ハレム ( トルコ語 harem)とは、 イスラム社会 における女性の居室のことである。この名称はトルコ語からイスラム世界の外側の諸外国語に広まったもので、 アラビア語 では ハリーム (حريم harīm)と呼ばれている。
トルコ語のハレムは、アラビア語のハリーム、ないしはアラビア語ではもっぱら 聖地 を指す語であるハラームの転訛である。ハリーム、ハラームとも原義は「禁じられた場所」という意味で、ハレムとは、男性はその場所にいる女性の夫・子や親族以外、立ち入りが禁じられていたことから生まれた名称である。
日本語では ハーレム と呼ぶこともあるが、学術的にはトルコ語の発音に近い「ハレム」が一般的である。 英語 では(ヘレム)もしくは希だが(ハーリーム)である。
ハレムの文化的背景
ハレムは、文化的には保守的 イスラム教 ( イスラーム )の説く、性的倫理の逸脱を未然に保護するためには男女は節理ある隔離を行わなければならないとの思想を直接の背景としている。
聖典『 クルアーン 』(『コーラン』)には、『クルアーン』が下された当時、 マディーナ にあった 預言者ムハンマド の自宅で、預言者の家に頻繁に出入りする信徒たちと、預言者の家族の居室の間を厳密に区切り、両者のむやみな出入りや会話を戒めた規定がみられる。後世の ムスリム (イスラム教徒)たちは、この預言者の家族に関する規定と、ムスリム女性たるものは貞節を固く守るべきとした『クルアーン』の教えを厳密に適用する立場から、家屋の中にハリームの領域、すなわち訪問者の立ち入りが禁じられた空間を置くようになった。この意味では、ハレムは外出時に着用される ヴェール などと同じ発想に基づいている。
しかしながら、ハレムの習慣はイスラム特異の文化というわけではなく、古代の 地中海 世界において、富裕な階層が倫理的・文化的・経済的な理由において女性の居室を隔離した風習がそもそもの起源であると考えられる。このように必ずしも宗教的な理由に基づく習慣であるとは言い切れない点でも、ヴェールの風習と同じ経緯をたどっている。
従って、ハレムはイスラム社会における男女隔離の推奨に基づいているとはいえ、下層の人々や、農村社会、 遊牧民 など男女が屋内外で共働きすることが前提となっている社会階層では不合理であるため採用され得ず、こうした家庭ではハレムの制度は事実上存在しない。
ハレムの習慣は、やはりヴェールと同じように、近代的価値観の前では、イスラム教における 一夫多妻制...






