ボトックスとは
ボツリヌストキシン (Botulinum toxin) は 分子量 が15万ほどの タンパク質 で、 ボツリヌス菌 が産生する毒素である。 ボツリヌス毒素 とも呼ばれる。ボツリヌス菌 食中毒 の原因となり、極めて 毒性 が強い( 致死量 :ヒトに対しA型毒素を経口投与した場合、体重1kgあたりの 致死量 が1μg と推定されている。 マウス に対する最小致死量 (MLD) は 0.0003 μg/kg。)。毒素としては、 破傷風菌 が産生する テタノスパスミン をも上回る毒性を持つと言われている。しかし、加熱するかアルカリで処理すると失活して 毒性 がなくなるため、十分加熱すれば安全である(ただし、ボツリヌス菌の芽胞は耐熱性を持つ)。ボツリヌストキシンは毒素の抗原性の違いによりA~G型に分類されるが、サルへの経口投与によるデータではB型毒素への感受性が最も高い。
ボツリヌストキシンは 神経筋接合部 などで アセチルコリン の放出を妨げる働きをするが、作用は末梢性に限られ、筋弛緩・鎮痛作用などが確認されている。 中毒 症状としては、消化器症状( 下痢 ・ 悪心 ・ 嘔吐 など、ただし毒素の作用ではない)に続き、 めまい ・ 頭痛 や視力低下・複視などを起こし、その後 自律神経 障害、四肢麻痺に至る。
中毒患者は、 ギラン・バレー症候群 と誤診される場合があるが、脳脊髄液の検査で判別できる。
平成19年6月1日施行の 感染症法 に基づき、検査、治療、医薬品その他厚生労働省令で定める製品の製造又は試験研究目的にボツリヌス菌・毒素を所持する者は、「感染症発生予防規程の届出」「病原体等取扱主任者の選定」「教育訓練」等が義務づけられている。なお、医療目的で通常用量の所持の場合は、同法の対象にならない。
作用メカニズム
ボツリヌストキシンは、分子量約15万のタンパク質であり、細胞外に分泌された後に、菌自身の プロテアーゼ または動物 消化管 の トリプシン...






