話題とは
言語学における 話題 (わだい:Topic)は、 主題 (しゅだい、 Thema 、 theme )、 題目 (だいもく)などともいい、 文 によって陳述される中心的対象をいう。文中に明示された場合には話題語(主題語)ともいう。 日本語 では話題が前の文と同じである場合には省略することが多い。( 主題役割 というときの「主題」とは直接関係はない)
話題は基本的には、談話の相手にとって何らかの 情報 がある「既知」のもの、つまり典型的には 英語 でいえば 定冠詞 つき 名詞 や 代名詞 で示されるもの、日本語でいえば 助詞 「は」で示されるものである( 定性 参照)。
それに対し、文の与える情報として一番重要な部分として強調したいものは 焦点 (Focus)と呼ばれ、言語によっては話題と区別しにくいこともあるが、焦点は一般に談話の相手にとって「未知」のものである。
多くの言語では、話題を示すのに以下のようないろいろの方法を用いる:
- 主語 (英語などではこれが話題を兼ねることが多い)として明示する。
- 受動態 を使って本来の目的語を主語に変換する。
- 文から切り離す。
- 話題 マーカー (英語では"As for..."、"Speaking of..."など;日本語では「は」など)を付け足して強調する。
- 左方移動(left dislocation):話題語を文頭に移動する。
文のレベルでの話題と 談話 のレベル(文脈)における話題は区別しなければならない。例えば「太郎の家」の話をしている(談話レベルの話題は「太郎の家」)場合でも、個々の文の話題は「太郎」自身になったり、「太郎の隣人」、「太郎の家のデザイン」、「太郎の家のある町」などになったりする。
種々の言語における話題
英語など(主語優勢言語)では主語が文を構成する必須の単位であり、話題は明示しない限りは主語と一致する。受動態も話題を示す重要な方法である。
日本語などの 主題優勢言語 では、必ずしもそうでなく(言語によって程度が異なるが)むしろ話題の方が重要である。これらでは話題解説構文(topic-comment frame、あるいは主題題述構文theme-rheme frame)が基本的な構文となる。「象は鼻が長い」などは、二重主語文と呼ばれることもあるが、実際には「象は」が文全体の話題語、「鼻が」は 述語 「長い」に対する主語であって、話題「象は」に対して題述部(あるいは述部)「鼻が長い」をつないだ構文である。また「英語では主語を重視する」のように、主語のない(話題語はある)文もごく一般的である。
日本語の話題マーカーとして代表的なのは助詞「は」である。そのほかに「・・・なら」、「・・・といえば」なども話題マーカーとして用いられる。また口語では「これ、私が書いたものです」のように文から切り離す方法がよく用いられる。
朝鮮語 にも日本語の「は」に対応する助詞「는」がある(用法はやや異なる)。これに似た話題マーカーは ベトナム語 や ソマリ語 などにもある。...






