間取りとは
間取り (まどり)とは、完成した 建築物 。
分割されたそれぞれの空間に、機能を持たせる際に重要となってくるものは、それぞれの機能同士の相関関係である。例えば「台所」と「食堂」は、 調理 から配膳という時間的に連続する 家事 行為の上にあるものであるから、強い相関関係にあるといえる。相関関係の強い機能同士では、空間的に近接ないし連続させれば、機能の効率を上げることができる。こうした生活上の 動線 も勘案しながら各空間に適切に機能を配分することが「間取り」の考え方といえる。
間取りの基本思想
行為としての間取りを考える際には、前述の機能面のほかに、その建築物のある 文化 、風土、地域性、国民性などにも左右されることがある。ここでは、間取りに影響する基本思想のうち、機能的側面と文化的側面の2つを挙げる。
機能的側面
その建築物全体の使用目的を達成させるために、その建築物内部で行われる諸活動の機能の効率をいかに向上させるかを考慮するものである。
前述の住宅の例でいえば、次の点が考慮点として挙げられる。
- 個人的行為(就寝、休養、学習など)の空間同士の近接
- 時間的に連続する行為(調理→配膳→食事→下膳)の空間同士の近接
- 類似的生活行為(食事と団らん)の空間同士の近接
- 互いに相反する生活行為(食事と就寝)の空間の明確な分離(食寝分離)
特に、物理的に限られた空間の中でこれら全ての点を考慮した場合に、一つの部屋で複数の機能を兼用させて有効利用を図るという発想も出てくる。具体的には、1を一つの部屋で実現した「 子供部屋 (子供室)」、2を一つの部屋で実現した「 ダイニングキッチン (DK)」、さらに2と3を一つの部屋で実現した「リビングダイニングキッチン(LDK)」が挙げられる。
文化的側面
一方で、日本の住宅の間取りにおける思想としては、文化的な影響を受ける例も見られている。例えば、日本では古来より、女性の居住空間を、建築物の「北側」や、建築物の外部からの入口を基準にした相対位置が「奥」になるように配置する傾向が強かった。このことから、他人の妻の呼称として「北の方」「奥様」といった言葉が生じている。現代においても、女性の使用頻度が高いと考えられる台所を北側に配置する傾向があるのは、おそらくこの名残と考えられている。しかし近年は、DKやLDKという形で台所兼用の食堂や居間も出てきたところから、食事や団らんの空間のことも考えて、必ずしも北側に配置されるものではなくなってきている。
文化的な影響の例をもう一つ挙げるとするならば、「 鬼門 」に代表される 陰陽道 の影響も見られる。すなわち、鬼が入ってくるとされる鬼門の方角(北東)には、玄関や水回りを作らないという考え方である。このほか、 家相 などの影響が見られる面など)もあるが、いずれも現代では非合理な 迷信 、 俗信 として考えられていることも多いが、まだまだ、その影響は大きい。それらの成立当初には合理的理由があったものもある。
間取りの類型化
日本の住宅の間取りについては、移動・共通空間(廊下、ホールなど)の有無、配置に着目して、次のような類型化の例がある。
- ワンルーム型 - 公的、私的な生活行為のすべてを一つの空間で実現しようというもの。
- 片廊下型 - 住宅の片側に一本の廊下を配して、各部屋間の移動を図るもの。各部屋の独立性が高くなる。
- 中廊下型 - 住宅の中央部に一本の廊下を配して、各部屋間の移動を図るもの。 大正時代 に提案された。...






